AIもある、情報もある。なのに婚活は難しくなっている──その理由を仲人は知っている。
'25.10.10こんにちは。
結婚相談所キュートピアの忽那里美です。
先日、親しい仲人さんのお家にご招待いただき、
ランチをしながら最近の婚活事情や、自社会員様の近況を語り合いました。
同じ現場で活動する仲人同士だからこそ話せる“リアル”があります。
そして皆、口を揃えて言うのです。
「婚活が、ここ数年でまったく変わった」
と。
「年収÷100」で年下女性を狙えた時代は終わり
数年前までは
「年収が高い男性なら年下女性とマッチングしやすい」
と言われていました。
一部では“年収÷100=狙える年齢差”という目安が語られていたほどです。
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年収600万円 → 6歳年下
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年収800万円 → 8歳年下
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年収1000万円 → 10歳年下
この“暗黙のルール”は、いまの婚活市場では機能していません。
今は、年齢差よりも価値観の近さ・会話のテンポの合う相手が求められています。
トレンドは「同世代婚」──求められるのは“対等さ”
今の婚活の主流は「同世代婚」。
男女ともに“対等でいられる関係”を求める傾向が、年々強まっています。
女性の社会進出が進み、自立して生きる力を持つ方が増えたことで、
「守られる結婚」から「支え合う結婚」へと価値観が変化しました。
同じ時代を生き、仕事観や生活リズムが近い相手のほうが安心できる・・・
そんな実感が、「同世代婚」という選択を自然に後押ししているのです。
「専業主婦前提」はレアケースに。年収の“見せ方”も変化
以前は珍しくなかった「専業主婦希望」の活動も、今では成立が難しくなりました。
今の婚活では、共働きを前提とする姿勢が求められています。
男性も女性も「二人でしっかり稼いで支え合う」という意識が主流になり、
女性が自分の年収をオープンにすることも、ごく自然な時代になりました。
結婚とは、どちらかに頼ることではなく、共に人生を築くプロジェクト。
まさに“チーム婚”の時代です。
AI普及で“相談の中身”が二極化
ここ数年で顕著なのが、AI(ChatGPTなど)の普及です。
「初デートの提案」「LINEの文面チェック」など、
ライトな悩みならAIで解決できる時代になりました。
しかしその一方で、仲人に届く相談は以前よりもずっと深く、重くなっています。
そして、話しながら私たちは気づいたのです。
──それだけ皆の心が、以前よりも傷つきやすくなっているということに。
繊細な人が増えた今、必要なのは“心のケア”
昔よりも、誰もが情報や言葉にさらされる機会が増えました。
SNS、職場、恋愛、家族──常に何かを比べ、判断し、評価される時代。
その中で、繊細な人が本当に増えたと感じます。
「傷ついた経験が癒えていないまま婚活をしている方」
「相手の言葉ひとつで心が沈んでしまう方」も少なくありません。
表面的なアドバイスではなく、
心を回復させるケアが必要な時代になった。
これは仲人全員が実感している現実です。
AIでは届かない「心の領域」
AIがどれほど進化しても、人の痛みを“感じ取る”力までは持てません。
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自己否定のくせが抜けない
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過去の恋愛や家族関係の傷が再起動する
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好かれると怖くなる
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相手に合わせすぎて疲れてしまう
こうした問題は、“言葉の正解”を知るだけでは前に進めません。
人との対話を通して、少しずつ心の温度を取り戻す必要があります。
婚活とは、単に相手を探す行為ではなく、
自分の心を整えていく過程でもあるのです。
仲人にも「専門性」が問われる時代へ
数年前までは
「次の出会いで逆転できるよ!」という励ましが会員様に届いていました。
けれど今は、それだけでは届かないケースが多くなっています。
お一人お一人の悩みの根が深く、
生育環境や家族との関係、価値観の根本に触れなければならないことが増えました。
だからこそ、
仲人も常に学び続け、必要に応じて専門家とタッグを組むことが不可欠だと痛感しています。
心理学・カウンセリング・家族支援などの知見を取り入れながら、
“出会わせる”だけでなく、“心を整える伴走”をしていく。
これが現代の仲人力だと感じます。
まとめ|婚活は「条件」から「本質」へ
婚活の現場は、時代とともに進化しています。
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「年収÷100」時代は終焉し、同世代婚が主流に
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共働き志向で、支え合うパートナーシップへ
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AIで“浅い悩み”は解決できても、“心のケア”は人にしかできない
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繊細な人が増えた今こそ、仲人にも共感力と専門性が求められる
婚活は、条件のマッチングではなく、心の成熟を整える旅です。
焦らず、比べず、自分のペースで“心をほぐす婚活”をしていきましょう。


