機能不全家族で育った方の婚活──過去と向き合い、未来を選ぶ時間
'25.09.29こんにちは。
結婚相談所キュートピアの忽那里美です。
秋の空気を感じるようになってきましたね。
金木犀の香りがふわりと届くと、心もすっと落ち着きます。
今日は「機能不全家族で育った方の婚活」について、お話ししたいと思います。
「機能不全家族」とは
機能不全家族とは、本来あるべき家族の機能ーー
安心できる居場所、信頼できる関係性、心の安全基地
が十分に果たされなかった家庭のことを指します。
例えば、
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親が不仲で常に家の中が緊張していた
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子どもが親の世話役を担わされていた
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感情を出すことを許されなかった
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暴力や依存があった
こうした中で育つと、
大人になってからも「安心」「信頼」「愛情」のイメージを持ちにくくなり、
婚活やパートナーシップに影響を及ぼすことがあります。
2割はかなり深刻
キュートピアでは、
入会面談の際に、生まれてからこれまでの生い立ちを必ずお伺いしています。
その中で語られる親子関係やご両親の夫婦仲に触れると、
婚活者の約6割が
「育った家庭になんらかの問題があった」と感じているのが実情です。
さらに、そのうち「かなり深刻だ」と思うケースは2割ほど。
仲人を始めた当初は、
私自身もがっつり寄り添い、問題解決に取り組もうとしていました。
けれども、実際に関わる中で痛感したのは──
中途半端に関わることは、決して良い結果につながらない
ということでした。
なぜなら、そこには心理学やカウンセリングの専門知識が必要だからです。
仲人は婚活の伴走者であっても、専門家ではありません。
そのため、私は「かなり深刻」なケースについては、
臨床心理士や専門カウンセラーをご紹介するスタンスに切り替えました。
それくらい、このテーマは繊細で難しいです。
婚活は「過去の自分との会話」
正直なことを申し上げると、
私たちは3歳くらいまでにどれだけ無償の愛を受け取ることができるかで、
その後の心の安定が大きく左右されるように思います。
これは、私が多くの方に接してきた現場での実感です。
婚活は「新しい家庭をつくること」。
だからこそ、この場に立つと「自分が育った家庭」をどうしても振り返ることになります。
普段は社会に出て、仕事に追われて、忙しさの中では気づかない。
けれど婚活を始めると、それが自分の課題として表面化するのです。
ある方にとっては
「自分との、そして自分の過去との会話」になり、非常に辛いと感じることもあります。
けれど、
新しい家族を持つ前に向き合うことには、大きな意味がある
と私は思います。
「育ったようにしか子どもを育てられない」とよく言われます。
もし「自分と同じ思いを自分の子どもにはさせたくない」と思うなら・・・
今、この婚活という活動を通して課題に向き合うことは、
未来にとって必ず大事な時間になるはずです。
婚活に与える影響と実践のステップ
機能不全家族で育った方は、婚活の場で次のような課題を抱えやすいです。
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自分に自信が持ちにくい
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相手との距離感が極端になりやすい(近づきすぎる/避けすぎる)
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「結婚=苦しいもの」という思い込みを抱いてしまう
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幸せな家庭像がイメージできない
けれども大切なのは──
過去の家庭環境=未来の家庭ではない ということ。
結婚は「過去をなぞること」ではなく、
「自分で新しい関係性を築いていく挑戦」なのです。
そのためにできる実践ステップは、
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自分が安心できる瞬間を言葉にする
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自分の“距離感の癖”を客観視する
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信頼できる専門家や仲人と振り返る
こうした積み重ねが、未来の家族を育てる力につながります。
忽那の本音
私が心から伝えたいのは、
「過去は変えられないけれど、未来は選べる」 ということです。
そして、もし深刻な問題を抱えていると感じるなら、
勇気を出して専門家の力を借りてほしいです。
仲人としてできることは「婚活の伴走」。
専門家としてできることは「心の土台を整えること」。
それぞれの役割がかみ合ったときに、
初めて新しい家庭を築く力が育っていくのだと思います。
保存用:1分まとめ
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婚活では「自分が育った家庭」を振り返らざるを得ない
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入会面談でも6割が「何らかの問題があった」と感じている
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深刻な2割は専門家紹介が必要
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3歳までの無償の愛が心の安定を左右する
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「子どもに同じ思いをさせたくない」なら、今の婚活で課題に向き合うことが大切
「安心できる瞬間」を3つ書き出してみましょう。

