忽那のブログ

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タイプの顔にこだわる婚活がうまくいかない本当の理由

'25.09.22

こんにちは。

結婚相談所キュートピアの忽那里美です。

最近「ルッキズム」という言葉を耳にする方も多いかもしれません。



ルッキズムとは「lookism(外見至上主義)」のことで、

人を評価する際に容姿が大きな影響を与える社会的な傾向を指します。

婚活の場でも、この「顔」にまつわるお悩みは本当に多いです。



「どうしても顔が好きじゃないと無理」

「顔だけは譲れない」



そう断言する方に、私はこれまで何度も出会ってきました。

ある女性はこう話してくださいました。



「結婚生活には嫌なことや辛いこともあると思います。

でも、相手の顔が自分の好きな顔だったら、きっと許せる。

多少のことは我慢できる気がするんです」

お気持ちは理解できます。

ただ、ここには心理学的な罠が潜んでいるのです。

 

 

顔に惹かれる心理 

人間には「審美的価値の転移」という心理現象があります。



つまり「好ましい顔立ち」や「自分の好みに合う容姿」を持つ相手には、

それ以外の要素まで好意的に評価してしまう傾向です。

心理学では「ハロー効果」とも呼ばれ、

イケメンや美人は

「きっと性格も良いはず」

「能力も高いはず」

と判断されがちだと報告されています。

婚活において「顔が好き」というのは一見シンプルですが、

実は大きな心理的影響を及ぼしているのです。

 

データで見る「外見」の影響 

IBJのデータや婚活調査を見ても、

第一印象において「見た目」は最も影響の大きい要素の一つです。



実際、お見合いで交際希望を出すかどうかの大部分は

「プロフィール写真」と「会った瞬間の印象」で決まります。

そして、交際初期の段階では「好みの顔かどうか」が

話題の盛り上がりや関係の進みやすさに直結します。

ただし、

成婚したカップルの振り返りを聞くと、

意外にも「最初は顔はタイプじゃなかったけれど…」という声は少なくありません。



むしろ



「話してみたら安心できた」

「誠実さが伝わった」



という要素の方が、結婚生活の満足度を高めているのです。

 

仲人として見てきた現実 

15年現場を見てきて実感するのは、

「顔の好みだけに強くこだわる人ほど、成婚までが遠のく」

ということです。

その理由のひとつが、出会いのチャンスが減ってしまうから

なぜかというと・・・

  1. 対象者が極端に減る

     「顔が好み」という条件に合う人は全体のごく一部。

     例えば100人の候補がいても、最初から80〜90人を“対象外”にしてしまうようなものです。

  2. ライバルが集中する

     見た目が魅力的な人は当然人気が集まります。

     「限られた人数×高い競争率」という構図になり、交際成立のハードルが一気に上がります。

  3. 相互に選ばれにくい

     自分が「顔がタイプ!」と思っても、相手が自分をタイプと思うとは限りません。

     結果として、片想いで終わる確率が高くなるのです。

  4. 学びの機会を失う

     顔でふるい落とすと、本来は性格や価値観で合うはずの人に出会えません。

     「タイプじゃないけど話してみたら安心できた」という経験が積めず、成長のチャンスを逃してしまうのです。

このように、

    

母数が減る

ライバルが増える

相互に選ばれない

経験が積めない

という四重苦で、結果的に成婚から遠ざかってしまうのです。

 

忽那の本音 

婚活の現場で「顔だけは譲れない」と語る方に出会うたびに思うのは、

本当に求めているのは

顔そのものではなく、“安心感や承認”なのでは?

ということです。

好きな顔を眺めることで心が落ち着く・・・

これは裏返せば「自分の心を安定させたい」という欲求です。



あるいは「結婚が怖い」「まだ本当は結婚したくない」という無意識の思いから、

あえて顔という条件を掲げて、自分でハードルを上げている方もいます。

だからこそ、

その人の本当の気持ちを一緒に整理していくことが必要です。

保存用|1分まとめ

「顔の好みだけにこだわる人ほど成婚が遠のく」

理由は、①対象が減る ②ライバルが集中する ③相互に選ばれにくい ④経験が積めない

実は「顔が大事」という言葉の裏には、不安や承認欲求が隠れていることも

大切なのは「顔+安心感」「顔+信頼感」という視点

幸せな結婚は「一緒にいて安心できる人」と築かれる

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