忽那のブログ

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結婚して数十年、「一度も喧嘩したことがないんだ」と言った先輩の気持ち

'19.01.26

今日も良いお天気の東京です。

休日なのでお見合いが続きます。

素敵なご縁が繋がることを願っています。


さて、今日の記事は

久しぶりにお会いした先輩のお話。

そこから何を感じた・・という結論の出る内容ではありませんが、

私が感じたことのない感情をお持ちだったので

そのままを書きます。


その先輩とは、初就職先だった銀行で知り合いました。

リーダー的存在で人情味が厚く、周りに人がたくさん寄ってくる

方でした。

大学の運動部で活躍し、体が大きく、飲みも豪快で男らしかったです。


すぐにご結婚されて、新居にもお邪魔しました。

奥様をとても愛されていて、とにかく子供がたくさん欲しいと

言っていました。

「みんなが、ラブラブな関係なんて新婚期間だけだよ、というけれど

俺は違う。ずっと愛していける自信がある!!」

と力強く話す姿が印象に残っていました。


それから十数年経ちました。

私は、「ラブラブな関係は数年、いや早くて半年で下火になるものだ」

と感じているので、先輩もそうだろうと決め込んでいました。

ただ、ものすごく小さくではありましたが

「もしかしたら、あの先輩だったら・・・ラブラブを続けているかも」

そんな期待もあったのです。


久しぶりのお酒をご一緒しながら、思い切って尋ねました。

「奥様とはどうですか?」と。


すると・・・・・

「うん。信じてもらえないかもしれないけれど、

結婚して数十年、一度も喧嘩してないんだ。」と。


「すごい!!そんなことあるんですか?

やっぱり、先輩は違う。ラブラブを続けているんですね!!」

そう興奮しながら聞いた私に


「ちょっと違う。

あのね。俺たち、子供ができなかったんだ。正直すごく欲しかった。

でも、授からなかったんだ。

だからかな、喧嘩ができない。というか喧嘩をすることが怖いんだ。

例えば、子供がいたら、ちょっとした喧嘩をしても決定的な破局には

ならないだろう?

でも、子供がいない俺たちが喧嘩したら、止めるものがない気がして、

出来ないんだよ」


そう言ったのです。


その表情は、悲しそうでもなく、辛そうでもなく、でも幸せそうでもなかった。


私にはそういう発想が全く無かったので、何も答えることができませんでした。

冒頭に書いたように、このお話に何の結論もありません。

ただ一つ、書けることがあるとすれば

「その人の気持ちは、その人と同じ経験をした者でないと分からない」

ということでしょうか。


改札まで見送ってくれた先輩と、握手をして別れました。



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